無意根山のパノラマ写真集 （４）

　　　　　（撮影山スキー日　２００２年 １月 ２０日）

※　当初の予定は「長尾山」で引き返すつもりでした。　しかし、この日はご覧の通りの快晴です。「千尺高地」から望む山頂を見たら悩まずにはいられませんでした。・・が、１月は日没がすこぶる早いのです。　「時間的にギリギリだよ」という現実派の妹に対し、「この時間ならまだ大丈夫！」という楽天的な姉。（←言わずと知れた迷リーダーです）　　確かに、今日は風もなく山頂目指すには絶好の日和です。「あぁ、あと１時間早起きしていれば・・」と悔やみながらも、２人は進路を変え、山頂を目指すことにしました。

　今シーズン２回目にして長時間コースに挑んでしまった私達。もう既に足はヘロヘロになっています。姉は「馬ノ背」で休みたがりましたが、妹は許しませんでした。「ケチ！」と横目で恨まれてもしょうがありません。だって、私達には時間がないのです。
　それに、見た目よりはやはり時間が掛かってしまうものです。１時間３０分で・・と思っていましたが、２時間ヘロヘロ弱で山頂に到着。時刻は午後１時５０分になろうとしていました。

　へっぽこの下りを考えるとそうそうゆっくりもしていられません。「乾杯！」と、ポットのぬるいコーヒーで祝杯をあげ、残りのお昼を済ませ、午後２時２２分、シールを剥がし山頂を出発。いよいよ問題の下りです。　上手な方ならスイスイのひと滑りでしょうが、私達だとそうは行きません。「まぁ何とかなるさ！」と姉は相変わらず楽天的でしたが、「遅くても４時半までに着ければ・・」と妹も順調に行けば多分大丈夫だろうと考えていました。　・・しかし、２人の前には予期せぬ出来事が待ち構えていたのです。

　滑り始めて間もなく、姉が１回２回と転倒！・・おっと、これが予期せぬ出来事か !？いいえ、もちろん違います。予期しなかったのは深雪でした。しかも好天でかなり重たくなっています。　スキーが引っ掛かって一度転んでしまうと自分では起き上がれません。その度に救助の要請、助け舟です。　はたから見ると、「ふざけていないで、さっさと起き上がれば？」と言いたくなる状態ですが、「馬ノ背」への下りで転んでしまった妹も 「そりゃ不可能だ」と実感しました。（足がまったく動かないのです）
　ここでは先を滑っていた姉が救助の為また登り返さなきゃなく、余計に時間がかかってしまいました。

　転んで起き上がるだけでも体力を消耗します。さらにヘッポコボーゲンはブレーキをかけながら滑っているのと同じ、足への負担もかなりのものです。　下りでは登り返しも何ヶ所かあり、その度に「ヒーヒー」「フーフー」のヘロヘロリンです。
　それでもどうにか「千尺高地」まで到着。時刻は３時５０分でした。　あと３０分少々で登山口に着けるのか・・？いいえ、それはまず不可能でしょう。「まぁ何とかなるもんだ！」という姉も、そのニュアンスは自分達に言い聞かせるものになってきました。

　ここからは展望ともお別れ、徐々に樹林帯に入っていきます。当然日も陰ってきます。　「急げ急げ」と言いつつも、モモがつりそうになって一度に数ターンしか滑れませんが、それでも順調に滑り下りて来たようです。・・と、ここで安心してはいけません。　トレースに乗って滑っている姉の先にはカーブが見えます。妹はイヤ〜な予感がしました。　カーブを曲がって姉の姿が消えた途端、「あ・れ〜〜〜」という雄叫びが。
・・・案の定、ヤツはすっ転んでいやがりました。

　スキーの先が雪に刺さっていて靴を金具から外したりと、また余計に時間が掛かってしまいましたが、だいぶ下まで降りて来たという実感があります。　しかし、日没はまだ先ですが確実に暗くなって来ています。先を急がねばなりません。「下に着いたら、また乾杯しようね！」「そうだね！」とお互い励まし合い、ここからはサングラスを外して滑りました。

　「やった！」　右手にアパート群が見えてきました。夏道では興醒めするアパート群ですが、今回はなんて有りがたい景色なのでしょう！　ここまで来ればもう着いたも同然。あとはリフトまで少し登り、短いゲレンデを滑り降りれば駐車場です。　時刻は午後４時５０分、月がもう既にキラリと光り始めていましたが、どうやら日没にはギリギリ間に合ったよう、「あーやれやれ」です。

　（帰る支度をして車に乗り込んだ時には、もう辺りはすっかり薄暗くなっていました。あと１０分１５分でも遅かったらちょっとヤバかったかも知れませんね・・・）

　「あっそうだ、乾杯しなくちゃ！」　・・と、忘れていました。私達はさっそく、腰に付けていた飲料水「ＤＡＫＡＲＡ」を手に取り、「かんぱーい！」と威勢良く祝杯を上げようとしましたが、飲み口が凍っていて吸っても吸っても飲むことが出来ませんでした。（ありゃあ？）　　最後の最後までアホさ加減満開の２人だったことは、ここだけの話にしておきましょうね・・・。

以上、『へっぽこ組 頑張る』の巻でした。（お疲れ〜）

※ 樹氷の街道が、とっても綺麗でした

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